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エースをねらえ!(山本鈴美香)を一気読み! 作者が宗教に走ったと中傷されるのは平井和正と同じなの?

tennis

私がはじめて少女漫画を読んだのは山本鈴美香の「エースをねらえ!」です。

最近また、Sony Reader PRS-T2をヘビーに使い始めました。
そこに入っていた「エースをねらえ!」を読み始めたのですが、止められなくなって全巻一気に読んでしまいました。
このコミックは今まで何度も読み返しています。

それでも、いつになっても「エースをねらえ!」で泣けてしまうのはおかしいでしょうか?

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テニス漫画の最高峰「エースをねらえ!」

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「エースをねらえ!」をはじめて知ったのはテレビアニメーションです。
確か、土曜か日曜日のゴールデンタイムのアニメだったように記憶しています。

それまでに、出崎統作品で1度アニメ化されていました。
私は出崎統作品は見ていなかったと思います。
少女漫画のアニメ化ということを知っていたので、敬遠したのでしょう。

ただ、リメイク版のアニメはとても面白かった。
そこで原作のコミックを読む「決意」をしたのです。

「決意」というのは大げさなものではなく、男性でありながら少女コミックを買うのには大きな勇気が必要でした。

いつも通っている本屋で買うのは恥ずかしかったので、デパートの本屋さんまで足を運び購入したのを覚えています。

読んでみて少女漫画も捨てたものではない、という印象を持ちました。
それからというもの少女漫画も私のテリトリーです。

……

「エースをねらえ!」は女性も男性も関係なく面白いはずです。

ずぶの素人のテニス選手が世界へ羽ばたく様を描いています。

挫折を繰り返しながら、コーチと先輩たちから支えられ、真のトッププレイヤーに成長していく姿は性別の枠を越えているのでした。

宗方仁コーチの死までを描く第一部と宗方コーチの親友である桂大悟コーチに支えられ世界へ羽ばたくまでを描く第二部の間にはブランクがあり、絵柄も変わってしまいます。

しかし、これらを別の作品、付け足しの作品と見るのは間違いです。
一部・二部の区切りになった宗方コーチの死こそが「エースをねらえ!」の根幹をなすテーマになっているからです。

死をどう見つめるべきか?
死をどのようにのりこえるべきか?

それこそ人間である限り考えていかなければならない最大のテーマです。
通常の生活では忘れていることなのですが、ふと感じる「死」。

その「死」を前向きに、見事に描ききった作品が「エースをねらえ!」だったのです。

このストーリーに接し、感動しないでいられるわけはないのでした。

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「死」を描くが故に、宗教と結びつくのか?

ずいぶん前にネットで知ったのですが、山本鈴美香さんは「エースをねらえ!」を描ききった後、宗教家に転身してしまったということです。

「エースをねらえ!」を読んでからかなり時間を経過してから知った事実です。

この作品が「死」をテーマにしていたことが、作者を宗教の世界へと結びつけてしまったのかもしれません。

ただ、「エースをねらえ!」はまったく宗教とはかけ離れた作品で、いつまでも語り継いでいくことに恥じない傑作だと思います。

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宗教的な作家といえば…

宗教と結びつけられてしまった作家としては大好きな平井和正もそうです。

平井和正の場合、ハルマゲドンストーリーであり救世主物語である「幻魔大戦」シーリーズを描いてしまったことが、その発端となっています。

さらに平井和正は「幻魔大戦」を執筆する前にある宗教団体に属していました。

私は「幻魔大戦」の大ファンで、全巻読みましたが、宗教的な感じは全く受けませんでした。

アダルト・ウルフガイシリーズも「人狼白書」から宗教への接近を揶揄されましたが、私には全く無関係なように思えました。

「死」「輪廻転生」はフィクション?

平井和正が宗教団体と行動を共にした事実や山本鈴美香が宗教家に転身したことを思うと、作品にも宗教との親和性をとりざたされてしまってもやむを得ないのかもしれません。

しかし、それらの作品は「宗教」とは無関係と思っています。

「死」は厳然として訪れる事実ですが、その後は想像することしか出来ません。
そういった意味ではフィクションなのです。
「死のフィクション性」こそが逆に作品自体に親和性を持っているのだと考えます。
「死」というテーマが心を捉える上質なフィクション作品をつくりやすいということです。

そうでなければ「エースをねらえ!」を読んで得られる感動に説明がつかないのでした。

宗教に結びつけるのではなく、「エースをねらえ!」や「幻魔大戦」といったフィクション作品によって「死」をとらえるこも大事なことなのではないでしょうか?

 

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