デヴィッド・ボウイのグラム・ロック期における最高傑作であり、ロック史を代表するコンセプトアルバム「ジギー・スターダスト」(1972年6月発表)

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imagephoto by RV1864

さて、この「ジギー・スターダスト」というアルバムのことをブログに掲載するときがやって来ました。
このアルバムが本当に好きなのですが、僕自身このアルバムのことを知っているのかと自問するとよく分からないのです。
それ故に、このページを書くことが恐ろしくもあり、恥ずかしくもあり、どうにもならないのでした(デヴィッド・ボウイの前回記事から、かなり間が空きました)。

ヴィンス・テイラーのことも知らなければ、レジェンダリー・スターダスト・カウボーイのことも知らない。
ロバート・A・ハインラインの「異星の星」を読んだこともなければ、スタンリー・キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」も観たこともない。
…とにかく時代背景が全く分からないのです。

だから、デヴィッド・ボウイが大好きでこのアルバムが大好きで、「Moonage Daydream」が最高と思っているパッションのみで乗り切るしかない…というわけです。

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ジギー・スターダストの成立

ジギー・スターダスト<2012リマスター>
ジギー・スターダストimage by Amazon

前回のハンキー・ドリーの記事で

「ジギー」のコンセプトから外れた楽曲を集めて先に発表したアルバムと言っていいのかもしれません。

と記してしまいましたが、これは1971年2月の時点でジギーの構想ができていたという説によります。

しかし、「ジギー・スターダスト」ではなく「ラウンド・アンド・ラウンド」というアルバム企画があったという記事もありますので、真実はどうであったのか分かりません。

「CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ (シンコー・ミュージックMOOK)」によると、ハンキー・ドリーに収録できない楽曲が5曲ほどあり、その後10曲以上が追加録音され、以下の構成でのアルバムが企画されていたとあります。

ラウンド・アンド・ラウンド

第1面

  1. 5年間
  2. 魂の愛
  3. 月世代の白昼夢
  4. ラウンド・アンド・ラウンド
  5. アムステルダム

第2面

  1. 君の意志のままに
  2. ジギー・スターダスト
  3. ヴェルヴェット・ゴールドマイン
  4. ホリー・ホリー
  5. スター
  6. レディー・スターダスト

参考CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ (シンコー・ミュージックMOOK)

この順でプレイリストを作ってみましたが、なかなか好きなアルバムになりました。

この企画をステップ・ボードに、さらに追加録音された「スターマン」「サフラジェット・シティー」「ロックンロールの自殺者」によって、ついにコンセプト・アルバムとして「ジギー・スターダスト」は完成されたのでした。

「ラウンド・アンド・ラウンド」から「ジギー・スターダスト」への移行によって外された楽曲は30周年記念盤やライコ盤ボーナス・トラック等で聞くことが出来ます。
「アムステルダム」「ヴェルヴェット・ゴールドマイン」「ホリー・ホリー」はかなり好きな楽曲です。「ヴェルヴェット・ゴールドマイン」は後にグラム・ロック映画のタイトルにもなりました。

ジギー・スターダストのコンセプト

「ジギー・スターダスト」がコンセプトアルバムであるということは誰でも知っています。しかし、僕の場合はかなりアバウトでした。
いい機会なので、おさらいしてみることにします。

この物語の骨組みは、宇宙から来た異星人が造物主の手によってロック・スターに仕立てあげられ、そのエゴが頂点に達したときから破滅の道を辿り、自らの手で自分を抹殺するというストーリーである。

「信貴朋子」東芝EMI 1990年版 「ジギー・スターダスト」 ライナーノートより

町、市、県、地方、国から世界、そして宇宙へと自分の存在を拡大させていくと、やがて自分自身の内側を凝視することへと回帰していく、という精神的自己探求の道筋を描いたロック組曲の名作。地球に落ちてきたエイリアンがロックンローラーになって苦悩する物語を綴ったものである

地球音楽ライブラリー「デヴィッド・ボウイ」:TOKYO FM 出版 p35

架空のロッカー、ジギー・スターダストの栄光と転落の物語というポップ・ミュージック史上最高のコンセプトルバム

「デヴィッド・バックレー」全曲解説シリーズ デヴィッド・ボウイ:株式会社シンコーミュージック・エンターテイメント p35

僕の認識は「デヴィッド・バックレーの全曲解説シリーズ」に近かったです。

上記の中では、信貴朋子さんの解説が最も分かりやすいです。このライナーには各楽曲毎に解説がなされていて、このアルバムの構造が明確になっています。

「5年間」しか残されていない世界へ降り立った救世主の崩壊、そして「ロックン・ロールの自殺者」という結末がもっとも分かりやすい流れです。

しかし、「地球音楽ライブラリー」のような深い解釈もあります。
何度も日本語訳を読みましたが、私にはそこまで読み取ることが出来ませんでした。

このアルバムには最も好きな曲が入っている。

「ジギー・スターダスト」はどの曲もいいのですが、中でも「Moonage Daydream」「Starman」「Lady Stardust」「Ziggy Stardust」の4曲が最高です。

  • Moonage Daydream」:ミック・ロンソンのギターが至高。
  • Starman」:カラオケはこの曲で決まりです。
  • Lady Stardust」:ボウイで最も美しい曲の一つです。
  • Ziggy Stardust」:私のスマホの着信音は「Ziggy Stardust」です。

ということで、最高のアルバムのページを終えます。舌足らずですみません。

蛇足:コブラ(COBRA THE SPACE PIRATE)

寺沢武一さんのコブラのスタイルはジギー・スターダストなんじゃないのかな?

www.bluelady.jp

ジギー・スターダスト発売30周年記念アニヴァーサリー・エディション

ファイヴ・イヤーズ 1969-1973

by Amazon

→この記事の参考資料

コメント

  1. aladdindogs より:

    やまりんさん、おはようございます。
    遂に、「ジギースターダスト」の登場ですね。
    1972年当時、日本盤は「屈折する星くずの上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」と言うほぼ直訳の意味のよく解らない長いタイトルで発売されました。
    実際には、ジギースターダストと言う宇宙から来た救世主とバックバンドのスパイダース・フロム・マースの浮き沈みの物語の事で、「スペイスオダティ」の時の様な誤訳を結構しています。
    それはそれでいいんだけど、「月世界の白日夢」は本当は「月世代の白昼夢」だし、「サフラゲットシティ」も「サフラジェットシティ」だし。
    まあ、内容はご存知の通りの永遠の大傑作アルバムだから関係けど。
    「異星の客」と言う物凄く分厚いSF小説がアイディアのヒントになっている事は確かです。
    私は高校の読書感想文にこれを読んだんです。
    「ジギー」が「ハンキードリー」より先と言う話はまた後でしますね。

    • やまりん より:

      aladdindogsさま

      お世話になります。
      このページでジギー・スターダストのすばらしさが伝わったかどうか心配です。
      「時計仕掛けのオレンジ」は今度観てみようと思っています。

      ジギーの様々なお話し、期待してます。
      「アラジン・セイン」のページも既に書き上げていますので、近日アップ予定です。

  2. aladdindogs より:

    やまりんさん、続きを書きますね。
    大体知っている事かと思いますが、
    ジギー・スターダストと言う名前は、一般的にイギー・ポップとレジェンダリー・スターダスト・カーボーイから付けられたと言われています。
    アルバムタイトルはミック・ロンソンが在籍していた、地元ハルのバンド「ザ・ラッツ」のアルバム「The Rise And Fall of Benie Gripplestone And The Rats From Hull」から借用しています。

    「ジギー」の構想が「ハンキー」より前だとされる記事がよくありますが、おそらく作り始めたのが先だと言う事だと思います。

    アルバム収録曲の「ムーネイジ・デイドリーム」と「ハング・オン・トゥ・ユアセルフ」の原形が「ハンキー」より前にアーノルドコーン名義で発表されています。しかし、この時点ではジギーのジの字も出てきていません。

    やまりんさんが今回書かれている、最初期のアルバムの形に、のちに名曲となる曲を足していって、最終的にトータルアルバムに仕上げました。
    一番最後に加わわったのが、最も強力な「スターマン」だった事から、最後まで完成度を高める為に悩んでいたのだと思われますね。

    「時計仕掛けのオレンジ」はボウイが「2001年宇宙の旅」と共に好きなキューブリックの映画で、サウンドトラックのベートーベンの「第9」をジギーツアーのコンサートのオープニングにかけていましたが、ジギーにはあまり関係ない様に思いますが、観てみるのは良いかもしれません。(結構ショッキングな内容ですので)

    「第9」はサウンド+ヴィジョンツアーのオープニングにも使われていましたね。

    • やまりん より:

      aladdindogsさま

      なるほどです。
      ご解説いただくと、もやもやが吹き飛んだような気がします。
      ありがとうございました。

      もう一つ分からないことがあります。
      アーノルド・コーンズのことです。
      この名義で曲を発表した背景を調べたのですが、結局はっきりとしませんでした。
      デヴィッド・ボウイ自身ではなく、別の名前で曲を発表したかったけど、上手くいかなくて、ジギーというペルソナを作り上げたということなのでしょうか?
      なぜ、デヴィッド・ボウイじゃなくアーノルド・コーンズだったのかもわかりません。

  3. aladdindogs より:

    「スペイス・オディティ」「ザ・マン・フー・ソルド・ザ・ワールド」をマーキュリー、フィリップスから出したものの、 不遇にも思う様には売れずRCAに移籍する前の時期。

    契約上はまだマーキュリーだったので、売れないボウイのリリースをしぶったのか、またはボウイ自身がマーキュリーから出したくなかったためか、当然別名義が必要だった。
    バンド名はボウイの大好きなシド・バレット時代のピンク・フロイドの曲「アーノルド・レーン」をもじって付けられました。

    バンドのメンバーには当時の衣装デザイナーのフレディ・バレッティがヴォーカルとして加わっていますが、「ムーネイジ・デイドリーム」と「ハング・オン・トゥ・ユアセルフ」からは聞こえて来ません。

    アーノルド・コーンには実は「マン・イン・ザ・ミドル」と「ルッキング・フォー・ア・フレンド」と言う曲があり、前者のヴォーカルはフレディっぽいのです。
    凄くカッコいいのに、今だボウイのオフィシャルに加わらないのは、その為だと私は思っています。

    あっ、それから「イット・エイント・イージー」はハンキー・ドリー・セッション時の録音なので、これも「ジギー」が「ハンキー」より前説、もしくは同時製作説に繋がっているのだと思います。

    • やまりん より:

      aladdindogsさま

      詳しい解説をありがとうございました。
      謎が解けていくようでうれしいです。
      今後ともよろしくお願いします。

      アラジン・セインは明後日アップします。

  4. aladdindogs より:

    そう言えば、やまりんさん。
    「ジギー・スターダスト」でにわかに日本でも人気が出始めた頃、「デビッド・ボウイ」と言う名前はどこから付けられたのかについて、雑誌などで「2001年宇宙の旅」に感銘を受けて、その主人公であるデビッド・ボウマンから付けられたと言う嘘が流され、それを信じたファンも多かったんです。
    確かに有りそうな話ですが、映画好きでもある私は、すぐに嘘だと分かりました。

    人気グループの「ザ・モンキーズ」のデイビー・ジョーンズと同名だった為に、ボウイに改名したのは「2001年」の公開よりずっと前だったからです。
    のちに、「アラモの砦」で有名な歴史上の人物、ジム・ボウイから付けられた事が公になりました。

    実は、私は72年当時それが公になる前に、ジム・ボウイから付けられたのではないか、と言う記事を当時のファンクラブの会報に投稿したのです。
    「アラモの砦」の映画パンフレットを見ると、そこに主役の二人の名前が並んでいました。
    デビッド(デイビー)・クロケット
    ジム・ボウイ

    そこに、妙な関連性を感じました。
    誠しやかな嘘は結構流されます。
    両眼の色が違うのは奇形だ、なんてのもありましたから?

    • やまりん より:

      aladdindogsさま

      ありがとうございます。

      デヴィッド・ボウイの名前については、1973年の来日インタビューの記事(インタビューアー:吉成伸幸さん)を読みました。そのインタビューでは「アメリカという国と深い関係があるんです。」とボウイは言っています。
      そのインタビューで語られたのはそこまでだったので、はっきりしませんでしたが、「アラモの砦」から、ということで胸落ちしました。

      眼の件に関しては私も最初はヘテロクロミアだと思いました。
      でも、アルバムのライナーに友人とのケンカが原因ということが書いてありました。
      「リアリティー・ツアー」の際に観客の投げたビーンズが右目にあたったエピソードがありましたが、「右目まで〜」と怒りをあらわにしたとか?
      ただ、私は左目は視力を失っていないと、どこかで読んだ記憶があります。

  5. aladdindogs より:

    ジム・ボウイはアラモ砦の立役者の1人で、ボウイナイフでも有名です。

    名前の響きの良さと、切れ味鋭いボウイナイフに掛けたのではと言われていますね。

    • やまりん より:

      aladdindogsさま
      ありがとうございます。
      ボウイナイフからというのはどこかで読んだ気がします。
      ただし、恥ずかしながら「アラモの砦」からということは今回初めて知りました。
      これって、ファンの常識??

  6. aladdindogs より:

    いいえ、やまりんさん、ボウイの名がジム・ボウイから付けられたと言うのが常識だと思います。
    ただ、ジム・ボウイはテキサス独立運動の英雄として有名だったと言う事です。
    「アラモの砦」の歴史に直接関係があったかは分かりません。

    • やまりん より:

      少し複雑です。
      私は「ジム・ボウイが愛用していたことからボウイナイフと呼ばれる」の「ボウイナイフ」の方しか頭に残っていなかったので…とほほ…です。

  7. aladdindogs より:

    やまりんさん、それでいいんだと思います。
    ボウイナイフは、ジム・ボウイが考案したナイフですから。

    • やまりん より:

      フォローありがとうございます。
      明日「アラジン・セイン」をアップいたしますが、少し不安でもあります。
      大きく間違いがありましたら、また、よろしくお願いします。

  8. aladdindogs より:

    やまりんさん、「ジギー」についてもう一つ話しておく事がありました。
    長ったらしいしいアルバムタイトルは、ザ・ラッツからの借用と話しましたが、恐らくはマーク・ボランの影響もあったと思います。
    T・レックスが、バンド名を略す前のティラノサウルス・レックス時代の最初の2枚のアルバムタイトルが

    「My People Ware Fair And Had Sky In Their Hair But Now They’re Content To Wear Stars On Their Brows」
    「Prophets,Seers And Sages,The Angels Of The Ages」
    です。しかも、1枚目のアルバム・ジャケットのイラストは、「スペイス・オディティ」の裏ジャケットと同じ、ジョージ・アンダーウッドが描いたものです。(キングビーズのメンバーでボウイの左眼にパンチをいれた親友です)

    ボランも、これ以降のアルバムタイトルは短くなったんですが、ボウイが「ジギー」で成功した後に、明らかに今度はボランが「ジギー」を意識した
    「Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August」
    と言うアルバムを74年に出しています。
    日本盤のタイトルは「ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー」でHidden Ridersは本当にボランが日本のテレビで見て気に入った仮面ライダーの事です。
    2人は、ライバル視もされていましたが、友人でもありましたね。

    • やまりん より:

      aladdindogsさま
      ありがとうございます。

      T.レックスはアルバムタイトルが短くなってからの複数のアルバムを持ってます。
      少し前にT.レックスが再評価されて、コマーシャル等によく使われていたときに買ったものです。
      「ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー」のタイトルにびっくりしました。
      これが「ジギー」の影響とは思いもよりませんでした。
      T.レックスは、そのうち「コレクション」のカテゴリーで取り上げることになると思います。

      昨日、ピンナップスも書き上げましたが、アップは少し遅れるかもしれません。
      次の「ダイヤモンドの犬」も書くのに緊張するアルバムですので時間がかかるかも、です。