キンケイド署長(平井和正:ウルフガイシリーズ・狼のレクイエム 第3部)

「狼のレクイエム 第3部」ついに開始される。それが「黄金の少女」編でした。
青鹿晶子はどうなってしまったのか?
虎4は生き残っているのか?
気になって仕方がなかった「狼のレクイエム 第2部」ですが、ついにその答えがもたらされる時がきたのです。

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ストレートな続編ではない「キンケイド署長」

当時、SFアドベンチャー増刊「平井和正の幻魔宇宙 VOL.4」で再開された「黄金の少女」は「SFアドベンチャー」、「ウルフガイシリーズ」復活を記念して、発売されたSFアドベンチャー増刊「ウルフランド」と舞台を変えて進行していきました。そしてハードカバー本として刊行されたのです。
やっと青鹿晶子や虎4、ウルフガイたちのその後が明らかになるという期待で、どんどん読み進めていきました。

ところがその期待は大いに裏切られることになってしまったのです。
青鹿晶子はどうやら死んでしまったらしい。ではその赤ちゃんは?「キム・アラーヤ」なのか?
「神明」や「犬神明」は名前をかえて、心に傷を負ったままですし、「西城恵」や「沢恵子」もどうなってしまったのか不明のまま物語は進行し始めました。
そこで登場したのが新たな主人公「キンケイド署長」だったのです。
チェンバーズの町を舞台に凶暴な「セイタンズ」から町を守る「キンケイド署長」の活躍がメインストーリーとなったのです。今までの主人公たちはバイプレーヤーとなってしまいました。

人間がヒーローになるとき

いままで超人的なウルフガイたちが活躍してきた物語ですが、「ふつうの人」キンケイドが主人公となったとき「ウルフガイシリーズ」も大きく変わったようです。
言葉にすれば「ヒーローものから問題小説に」姿を変えたようでした。
アメリカを舞台に始まったこの物語は人種差別も浮き彫りにしていきます。また小さな町の消滅の危機は、巨大なハルマゲドンストーリーの縮図として圧倒的な吸引力を示し始めたのです。
期待した回答は得られなかったのですが、十分満足できた作品でした。

その後何度か読み返しましたが、やっぱりこの作品も「ハルマゲドン・ストーリー」として描かれたんだなと胸落ちしました。
虎2も大変魅力的です。これを書いていてまた読みたくなってしまいました。

[1999.8.24]


追記

黄金の少女1
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「キンケイド署長」は「黄金の少女1」として発売されています。

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