平井作品の中で漱石の猫君を彷彿とさせるキャラクターがいる。
それは「アンドロイドお雪」に登場する「サイボーグ猫ダイ」だ。
アンドロイドお雪に登場する監視するもの
アンドロイドお雪 (角川文庫 緑 383-5) image by Amazon
「アンドロイドお雪」はダイの徘徊するシーンで始まる。
「ダイ」はサイボーグであるから言葉もしゃべる。
ちょっとなまりがあるのは口の形が猫だからだろうか?
もともと放浪癖がある猫のようで300階をはるかに越える超高層ビルの壁面をはい回り、
住人の生活を観察するのを日課としている。
つるつるの壁面も脚部の吸盤で難なく移動することが出来るのだ。
この光景を想像すると・・・、スパイダーマンみたいだ。
こんな猫だから人の秘密もついつい知ってしまって、作中ではのっぴきならない状況に陥ってしまう。
「アンドロイドお雪」のハードなストーリー展開のなかにあって、ほっとするキャラクターだ。
(以上 2000.2.27)
アンドロイドお雪はミステリー作品
「アンドロイドお雪」は平井和正の初期作品であり、サイバーパンクの代表的な作品です。
しかし、単純なSFではなくミステリーの要素をふんだんに盛り込んであります。
クライマックスの「お雪」と「ケイ」の対峙がみどころ。
主人公かと思われた「野坂警部補」だが、実は翻弄される存在に過ぎません。
© bluelady.jp
www.bluelady.jp – Recommended
by Amazon
コメント