平井和正・文庫版「悪霊の女王」の破壊衝動

申し訳ないですが、また2012年のことです。
Sony Readerを手に入れて、最初はもう読まないだろう小説を電子化し始めました。
しかし、Sony Readerを使い始めると携帯性の良さや読みたい本がすぐ読める気軽さから、今まで読みたくても読めなかった小説の電子化に踏み切ったのです。
その中には私が1冊しか持っていない「悪霊の女王」も含まれていました。

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文庫版「悪霊の女王」が変色してしまって…

「悪霊の女王」は徳間ノベルスと角川文庫から出版されています。
だいたいの平井作品は出版される度に買い足して読んできたのだけれど、何故か悪霊の女王だけは角川文庫しか持ていませんでした。だから一度しか読んでいない作品だったのです。そうしたわけだから、角川文庫の「悪霊の女王」を手に取る度に読みたい衝動に駆られました。しかし、本の厚みと変色した文庫本の読みにくさから、どうしても読めません。

多くの文庫本が酸性紙で作られているため、寿命は50年ほどと言われています。私が持っている平井和正の文庫本の寿命も近づいていたのです。紙が茶色になり、文庫本のカバーまで黄色いシミでおおわれて、人前で読むのもちょっと恥ずかしい。
また、書店のカバーを付けたものが多く読みたい本が本棚のどこにあるのか、押し入れのどこにあるのか分からなくなってしまう始末です。

そんな状況を一変させたのがSony Readerでした。

「悪霊の女王」が電子書籍として甦った

もう再読できないかもしれなかった「悪霊の女王」ですが、Sony Reader上の小説となって、一気に読了してしまいました。

悪霊の女王は、1冊限りで未完に終わってしまった作品です。悪霊なのか神なのか分かりませんが宇宙的規模の強大な力を持った存在「アニマ」に取り憑かれた少女を主人公に、ストーリーは展開します。自分の意志でコントロールできないアニマという強大な存在に翻弄される少女のもとに、組織から足を洗った五島、その娘・由紀子、狂戦士・三山、前田三郎、ホー老師ら、魅力有るキャラクターが集結したところで、あっけなく物語は終了してしまいます。
圧倒的な引きを見せつけたままで、その後が語られることはありませんでした。

おそらく平井流の八犬伝のような作品になるのではと予測されましたが、そのコンセプトは幻魔大戦とウルフガイ(黄金の少女・犬神明)に吸収されてしまって、悪霊の女王としての物語は消滅してしまったのです。

2度目の読了から2年近く経過したものですから、内容の詳細を語ることが出来ませんが、五島由紀子(後藤由紀子)がこの作品にも登場していたことに驚かされました。

電子化は本を破壊してしまう

電子化することで幸せな読書体験を得たのですが、その代償として1冊しか持っていなかった角川文庫版「悪霊の女王」は各ページを切り離され、紙切れになってしまいました。コレクションとしては価値の無いものになってしまったかもしれません。
しかし、私は電子化したことを後悔していません。読みたいときにいつでも手元にあるリーダーで読むことが出来る幸せを「新たな価値」として手に入れられたのですから。

みなさんは大切な本を切ってしまうことができるでしょうか?

悪霊の女王

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