書籍の電子化・自炊のはじめ方
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デヴィッド・ボウイの才能が結実した驚異のコンピレーションアルバム「オール・セインツ(ALL SAINTS:COLLECTED INSTRUMENTALS 1977-1999)」(2001年7月発表)

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image by Jason Hickey 

デヴィッド・ボウイのアルバム「ロウ」と「ヒーローズ」を聴いた時、馴染めなかったのは、ボーカル・パートとアンビエント・パートを持っていたということに起因します。

アルバムとして未完成なアンバランスさを感じました。
それはA・B面のレコードとして発売されたものをCDで通して聴いた際の違和感だったのです。そのため僕はボーカル曲ばかり集めたプレイリストを作ったりしていました。

「オール・セインツ」は僕が作っていたプレイリストとは真逆で、アンビエントのみを集めたものになっています。
そして、ボウイのアンビエント・ワークスとして最高の完成度を持って提供されたのでした。

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オリジナルは家族と知人に送った、たった50枚のプライベートCD

All Saints: Collected Instrumentals 1977-1999
All Saints: Collected Instrumentals 1977-1999 image by Amazon

このアルバムは家族と知人に送ったアンビエント・ワークスを集めた2枚組のプライベートCDが元になっています。

違いは以下です。

オリジナルCD:2枚組18曲編成

「ロウ」「ヒーローズ」「ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ」「ブッタ・オブ・サバービア」のインスト曲+フィリップ・グラスの「ロウ・シンフォニー」の「Some Are」の構成

Disc1

  1. Warszawa(ロウ)
  2. Some Are(ロウ・シンフォニー)
  3. Subterraneans(ロウ)
  4. Moss Garden(ヒーローズ)
  5. Sense Of Doubt(ヒーローズ)
  6. Neuköln(ヒーローズ)
  7. Art Decade(ロウ)
  8. The Mysteries(ブッタ・オブ・サバービア)
  9. Ian Fish, U. K. Heir(ブッタ・オブ・サバービア)

Disc2

  1. Abdulmajid(ヒーローズ:ライコ版ボーナストラック)
  2. South Horizon(ブッタ・オブ・サバービア)
  3. Weeping Wall(ロウ)
  4. Pallas Athena(ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ)
  5. A New Career In A New Town(ロウ)
  6. The Wedding(ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ)
  7. V-2 Schneider(ヒーローズ)
  8. Looking For Lester(ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ)
  9. All Saints(ロウ:ライコ版ボーナストラック)

オール・セインツ:16曲編成

オリジナル版から「ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ」の曲と「ブッタ・オブ・サバービア」の「South Horizon」がカットされ、代わりに「Crystal Japan」と「アワーズ」の「Brilliant Adventure」が追加されています。

  1. A New Career In A New Town(ロウ)
  2. V-2 Schneider(ヒーローズ)
  3. Abdulmajid(ヒーローズ:ライコ版ボーナストラック)
  4. Weeping Wall(ロウ)
  5. All Saints(ロウ:ライコ版ボーナストラック)
  6. Art Decade(ロウ)
  7. Crystal Japan(1980年シングル:宝焼酎のTVCM曲)
  8. Brilliant Adventure(アワーズ)
  9. Sense Of Doubt(ヒーローズ)
  10. Moss Garden(ヒーローズ)
  11. Neuköln(ヒーローズ)
  12. The Mysteries(ブッタ・オブ・サバービア)
  13. Ian Fish, U. K. Heir(ブッタ・オブ・サバービア)
  14. Subterraneans(ロウ)
  15. Warszawa(ロウ)
  16. Some Are(ロウ・シンフォニー)
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ライコのボーナストラックに入っていた2曲が秀逸

このアルバムを通して聴いたとき、「ロウ」や「ヒーローズ」の不完全さが払拭され、アンビエントワークスとしてのすばらしさが立ち上がってきたのです。

このアルバムによって、僕のアンビエントへの苦手意識は完全に消えることになりました。
そればかりか、ボウイの才能の豊かさを敬意をもって再認識したのでした。

驚きだったのは「Abdulmajid」と「All Saints」という名曲が「ロウ」「ヒーローズ」のオリジナルアルバムに入らず、ライコ版が発表されるまで眠っていたということです。

All Saints」はこのアルバムのタイトル曲にもなっています。
どちらも大好きな曲です。

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フィリップ・グラスの2つのシンフォニック・アルバム

フィリップ・グラスによって「ロウ」と「ヒーローズ」のアンビエントは交響曲となって蘇ります。

それが「ロウ・シンフォニー(1993)」と「ヒーローズ・シンフォニー(1997)」です。

LOW SYMPHONY

ロウ・シンフォニー収録曲

  1. Subterraneans
  2. Some Are
  3. Warszawa

Heroes Symphony

ヒーローズ・シンフォニー収録曲

  1. Heroes
  2. Abdulmajid
  3. Sense Of Doubt
  4. Sons Of The Silent Age
  5. Neuköln
  6. V-2 Schneider

この2枚のアルバムはボウイ、イーノ、グラスの3つの才能の結実です。
ボウイファンなら必携のアルバムと言えます。ぜひ交響曲となったボウイの曲の壮大さを感じてください。

© bluelady.jp

www.bluelady.jp – Recommended

オールセインツ〈インストゥルメンタル1977-1999〉
Heroes Symphony / Low Symphony
ロウ・シンフォニーとヒーローズ・シンフォニーがセットになったものもあります。

by Amazon


コメント

  1. aladdindogs より:

    つい先ごろ、BOWIEがツアー活動を引退したとの悲しいニュースもありましたが、過去に何度か発言を覆していますので、復活を期待しましょう。
    米サイトでの最新BOWIE全アルバムベスト順位が発表されましたが、
    1位「ロウ」
    2位「ハンキードリー」
    3位「ジギー・スターダスト」
    4位「ステイション・トゥ・ステイション」
    5位「ヒーローズ」
    と言ったちょっと意外な順位。
    なくもないですけどね。

    • LIN より:

      aladdindogs さま

      ありがとうございます。
      このBest5は発表が古いところから選んでますね。
      私なら

      1位「ヒーザン」
      2位「ジギー・スターダスト」
      3位「ステイション・トゥ・ステイション」
      4位「ヒーローズ」
      5位「アワーズ」

      ん?
      あんまり変わらなかったですか?

  2. aladdindogs より:

    タワレコでボウイスペシャルの本CROSSBEATを注文しました。
    セブンイレブン受け取りなら、送料タダです。(早ければ、ポスター付きます)

    • Lin より:

      aladdindogs さま
      ありがとうございます。早速注文せねばと思い、Amazonへ行ってみたら10月5日に注文済みでした。(私はAmazon派です。)
      「ファイヴ・イヤーズ 1969 – 1973徹底解剖」が楽しみですね。
      日本版と発売日が同じなので、同梱されてくると思います。

      ※さまざまな事情があってハンドルネームがローマ字になりました。しかも下3文字。

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