1992年、ウイリアムズ・ルノーFW14Bを駆るナイジェル・マンセルが圧勝した年。アイルトン・セナはチャンピオンシップ4位に沈む。

Nigel Mansell
image photo by wileynorwichphoto 

1992年、圧倒的な強さを見せたのはウイリアムズ・ルノーのナイジェル・マンセルでした。
マシンは無敵のハイテクマシン・FW14B。

マンセルは開幕5連勝、14回のポールポジションという圧倒的な記録を打ち立てています。
そしてF1参戦13年目にして初のワールド・チャンピオンに輝いたのでした。

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第1戦:南アフリカGP(キャラミ)3/1

このレースで最も見事だったのは4番手からスタートしたリカルド・パトレーゼでした。
スタートダッシュを決めたパトレーゼは2番手、3番手のマクラーレン・ホンダの間をすり抜け、ナイジェル・マンセルとのワン・ツー体制に持ち込みます。

その後もセナとのギャップを保ち、ウイリアムズ・ルノーの完勝でした。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)
3位:アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)

第2戦:メキシコGP(メキシコシティー)3/22

予選でウイリアムズに続いたのはベネトンでした。
しかし、スタートでウイリアムズに続いたのはセナ。

マンセル、パトレーゼは異次元の走りでセナを置き去りにしていきます。
セナは11周でギアボックストラブルを起こしリタイアとなってしまいました。

このレースでミハエル・シューマッハーは初めての表彰台を獲得しています。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)
3位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)

アイルトン・セナ:リタイア(ギアボックス)

第3戦:ブラジルGP(インテルラゴス)4/5

マクラーレンはMP4/7Aを投入します。セミオートマ、トラクションコントロール、フライバイワイヤ制御システム等を実装したハイテクマシンによってウィリアムズに追随しようとします。

しかし、全く歯が立たず、セナは18周目にリタイアしてしまいます。
結果はメキシコと同じ表彰台になっています。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)
3位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)

アイルトン・セナ:リタイア(電気系)

第4戦:スペインGP(カタルニア)5/3

雨で濡れたサーキットのレースとなります。
目立ったのはジャン・アレジのアグレッシブな走りです。

8番手からスタートしたアレジは一気に3番手まで浮上。
その後、ベルガー、ハッキネンとの接触を乗り越えセナに続きます。

ここでパトレーゼはクラッシュししリタイア。
3位走行していたセナもリタイアし、アレジは3位表彰台を獲得しました。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)
3位:ジャン・アレジ(フェラーリ)

9位:アイルトン・セナ:リタイア(完走扱い)

第5戦:サンマリノGP(イモラ)5/17

ここでもマンセルの強さは変わらず。
パトレーゼとのギャップも開き、前人未踏の開幕5連勝を達成します。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)
3位:アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)

第6戦:モナコGP(モンテカルロ)5/31

マンセル対セナの伝説のレースとなります。
ポールからスタートしたマンセルは盤石の走りで、セナとのギャップを開いていきます。
しかし、スローパンクチャー(ナットの緩み)に見舞われピットイン。
セナに逆転を許し、必死の追走も及ばず。
マンセルはモナコで勝つことが出来ませんでした。

1位:アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)
2位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
3位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)

photo by pher38 私がF1ベストシーンを選ぶとすれば、やはり1992年F1モナコGPです。 1992年は日本で...

第7戦:カナダGP(モントリオール)6/14

ついにセナがシーズン初ポールを奪取します。
スタートもセナが先行。

15周目、マンセルはセナをパスするためブレーキを送らせアタック。
しかし、セナのテクニックによってコースをはみ出しリタイアしてしまいます。

健闘したセナでしたが、38周目に電気系統のトラブルでレースを継続することは出来ませでした。

1位:ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)
2位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)
3位:ジャン・アレジ(フェラーリ)

アイルトン・セナ:リタイア(電気系)
ナイジェル・マンセル:リタイア(アクシデント)

第8戦:フランスGP(マニクール)7/5

オープニングラップでシューマッハがセナに激突。
セナはリタイアを余儀なくされました。

その後の雨で2ヒート制に。
チームオーダーによってパトレーゼはマンセルを先行させ、ワンツー体制のままゴールしています。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)
3位:マーティン・ブランドル(ベネトン・フォード)

アイルトン・セナ:リタイア(アクシデント)

第9戦:イギリスGP(シルバーストーン)7/12

ナイジェル・マンセルはスタートでリカルド・パトレーゼに先行を許しますが、その後盤石の走り。
ファステストラップを刻みながら、パトレーゼとのギャップを開き、余裕の母国優勝を成し遂げます。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)
3位:マーティン・ブランドル(ベネトン・フォード)

アイルトン・セナ:リタイア(ギアボックス)

第10戦:ドイツGP(ホッケンハイム)7/26

ドイツでもウイリアムズのワンツー体制は変わらず。
しかし、セナはタイヤ交換なしの戦略でウイリアムズに対抗します。

マンセルのタイヤ交換でセナがリード。
マンセルとセナの激しいバトルが展開されますが、マシン性能の差はいかんともしがたく、マンセルにパスされてしまいました。

パトレーゼもタイヤ交換でセナの後塵を拝することに。
しかし、最終ラップ、セナに最後のアタックをしかけます。
パトレーゼはアタックをセナに跳ね返されコースアウトしてしまいました。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)
3位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)

第11戦:ハンガリーGP(ハンガロリンク)8/16

ここでマンセルが優勝、パトレーゼが3位以下ならばチャンピオンが決まるレースとなります。
しかし、マンセルはスタートを失敗し、4番手に。

39周目パトレーゼがスピン。7位まで後退。
さらにエンジンのトラブルで大事なレースをリタイアしてしまいます。

マンセルもペースを上げられず、62周目タイヤの異常でピットへ。
6位まで後退しますが、チャンピオンを決める激走で2位まで挽回します。

マンセルは13年目にして初のワールドチャンピオンの称号を手にしたのでした。

1位:アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)
2位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
3位:ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)

第12戦:ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)8/30

天候がめまぐるしく変わるスパ・ウエザーに翻弄されたレース。
小雨から激しい雨へ、そして雨があがります。

30周目にはドライ路面に。すかさず31周目シューマッハーはスリックへ交換。
ドンピシャのタイミングでシューマッハーはトップのままゴール。
シューマッハーはF1で18戦目、23歳での初優勝を飾ったのでした。

1位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)
2位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
3位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)

5位:アイルトン・セナ

第13戦:イタリアGP(モンツァ)9/13

イタリア・モンツァに衝撃が走りました。
ホンダがF1撤退を発表したのです。
さらに、ウイリアムズの時期ドライバーの噂(プロストかセナか)から、マンセルは引退宣言をしてしまいます。

しかし、レースでは相変わらず早く、マンセルはレースをリードしていましたが、42周目油圧のトラブルによってリタイア。

パトレーゼも同じトラブルでスローダウンし、セナが優勝を手にします。
ホンダ70勝目のメモリアルレースとなったのでした。

1位:アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)
2位:マーティン・ブランドル(ベネトン・フォード)
3位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)

ナイジェル・マンセル:リタイア(油圧)

第14戦:ポルトガルGP(エストリル)9/27

ウイリアムズは来期アラン・プロストがカムバックすることを発表。マンセルはカートへの転向を決意しました。

チャンピオンの放出という異例の展開に周囲は驚かされました。
しかし、レースでは例によって盤石。
パトレーゼはピットストップでジャッキが壊れるトラブルに見舞われますが、マンセルは悠々とトップでゴールします。シーズン9勝目の記録となりました。

パトレーゼはベルガーとのバトルで、大きなクラッシュに見舞われます。
ピットストップのためスピードを落としたベルガーのリアタイヤに乗り上げたパトレーゼのマシンが、宙を舞う壮絶な事故となりました。

1位:ナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)
2位:ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)
3位:アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)

第15戦:日本GP(鈴鹿)10/25

セナはエンジンの不調で3周目、早々とリタイア。
ナイジェル・マンセルも45周目、エンジンブローでリタイアしてしまいます。

11台がリタイアする荒れたレースでパトレーゼが勝利を手にしました。

1位:リカルド・パトレーゼ(ウイリアムズ・ルノー)
2位:ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)
3位:マーティン・ブランドル(ベネトン・フォード)

アイルトン・セナ:リタイア(エンジン)
ナイジェル・マンセル:リタイア(エンジン)

第16戦:オーストラリアGP(アデレード)11/8

マンセルはシーズン14回目のポールを獲得。レースを引っ張っていきます。
序盤はセナとマンセルがバトルを繰り広げ面白い展開になります。

しかし、バックマーカーが出始めた19周目、スピードを緩めたマンセルにセナが追突。
両者リタイアとなってしまいました。

51周目にパトレーゼも燃圧のトラブルでリタイアを喫します。
勝ったのはパトレーゼと争ったベルガーでした。

1位:ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)
2位:ミハエル・シューマッハー(ベネトン・フォード)
3位:マーティン・ブランドル(ベネトン・フォード)

まとめ

この年はナイジェル・マンセルの圧勝の年でした。

しかし、モナコで勝つことが出来なかったことは心残りだったでしょう。
マンセルは13年というキャリアで、大事なところのタイヤのトラブルに見舞われ続けていました。この年もモナコの不運には勝つことが出来なかったのです。

アイルトン・セナは結局、ウイリアムズとのマシン性能のギャップを埋めることができず、さらにリタイアが続き、チャンピオンシップで4位に低迷しています(シューマッハーが3位)。

ホンダもF1からの撤退を、ウイリアムズはプロストとの契約を発表。
1993年、セナはどうするのか、心配されながらシーズンは幕を閉じたのでした。

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