書籍の電子化・自炊のはじめ方
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デヴィッド・ボウイのボックスセット「Who Can I Be Now?(1974 – 1976)」発表で分かった「THE GOUSTER(ザ・ガウスター)」から「YOUNG AMERICANS(ヤング・アメリカンズ)」への変遷

saxophone

2015年のボックスセット「Five Years 1969 – 1973」に続いて、2016年のボックスセット「Who Can I Be Now?(1974 – 1976)」がリリースされることが発表されました。

今回はCDボックスセットだけでなく、アナログ盤ボックスもあります。

このボックスセットの目玉は未発表アルバム「THE GOUSTER(ザ・ガウスター)」がリリースされるということです。

「THE GOUSTER(街の洒落た黒人男性)」というラベルがついたマスターテープが存在するということは、デヴィッド・バックレー著の「全曲解説シリーズ デヴィッド・ボウイ」に記されています。また、1974年夏にはこのマスターテープは完成していたことになっています。

今回のボックスセットの発表で「THE GOUSTER」の収録曲が明らかになりました。

そのことによって私には一つの疑問が生じてしまったのです。

それは、「Win」と「Fascination」が、いつの段階でレコーディングされ、「YOUNG AMERICANS」に追加されたのかということです。

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「THE GOUSTER」と「YOUNG AMERICANS」の収録曲

「Across The Universe」と「Fame」が収録された1975年の1月の時点では、トニー・ヴィスコンティは、既に完成したアルバム(THE GOUSTER)のミキシングのためにロンドンに戻っていました。

つまり、この2曲のプロデュースはトニー・ヴィスコンティではありません。
「STATION TO STATION」でもプロデュースに参加したハリー・マスリンがプロデュースを務めています。

デヴィッド・ボウイが「Fame」を含めた2曲を書き上げたという連絡をトニー・ヴィスコンティーに入れたのはその後だったのです。(パオロ・ヒューイット著「デヴィッド・ボウイ コンプリート・ワークス」による)

そしてデヴィッド・ボウイはマスターテープを変更してこの2曲を追加してしまったのでした。(デヴィッド・バックレー著の「全曲解説シリーズ デヴィッド・ボウイ」による)

Young Americans

Side-A

  1. Young Americans
  2. Win
  3. Fascination
  4. Right

Side-B

  1. Somebody Up There Likes Me
  2. Across The Universe
  3. Can You Hear Me
  4. Fame

Ryko Bonus Track

  1. Who Can I Be Now? (Previously Unreleased Track ’74)
  2. It’s Gonna Be Me (Previously Unreleased Track ’74)
  3. John, I’m Only Dancing Again (Single A-Side ’74)

Ryko盤のボーナストラックに「Who Can I Be Now?」と「It’s Gonna Be Me」がついていることから、この2曲がはずされ、「Across The Universe」と「Fame」が追加されたということが容易に結論づけられます。「John, I’m Only Dancing Again」はシングル曲としてボーナストラックに収録されているので、アルバム収録曲とは考えていませでした。

The Gouster

Side-A

  1. John, I’m Only Dancing (Again)
  2. Somebody Up There Likes Me
  3. It’s Gonna Be Me

Side-B

  1. Who Can I Be Now?
  2. Can You Hear Me
  3. Young Americans
  4. Right

ところが「THE GOUSTER」の収録曲が発表されてみると「John, I’m Only Dancing (Again)」があるばかりか、もう2曲の違いが見られるのです。「THE GOUSTER」には「Win」と「Fascination」の2曲がありません。

この2曲も「Across The Universe」「Fame」と同時にレコーディングされたのでしょうか?

「THE GOUSTER」収録曲の発表は私にとっては一つの疑問を提示することになったのです。

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CDジャケットからレコーディング・スタジオの違いが分かる

「YOUNG AMERICANS」のCDジャケットをみると「Across The Universe」と「Fame」のレコーディング・スタジオはニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオになっています。

それ以外の曲はフィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオです。

つまり、「Win」と「Fascination」は「THE GOUSTER」のアウトテイクだったと考えられます。

アルバム「YOUNG AMERICANS」は7分におよぶ「John, I’m Only Dancing (Again)」と「Who Can I Be Now? 」「It’s Gonna Be Me」の3曲を削除し、新録音の「Across The Universe」と「Fame」、アウトテイクだった「Win」と「Fascination」を追加して出来上がったということです。

ジョン・レノンとの曲を追加するに当たって、ちょっと失礼かもしれない曲「John, I’m Only Dancing (Again)」が邪魔になってしまったのかもしれません。

「THE GOUSTER」から「YOUNG AMERICANS」への変遷については「Across The Universe」と「Fame」のことばかりで、「Win」と「Fascination」について書かれた記述を見つけることができませんでした。

そのため、私は今までずっと「THE GOUSTER」は以下のような構成だと思い込んでいたのでした。

The Gouster

Side-A

  1. Young Americans
  2. Win
  3. Fascination
  4. Right

Side-B

  1. Somebody Up There Likes Me
  2. Who Can I Be Now?
  3. Can You Hear Me
  4. It’s Gonna Be Me

今回の「THE GOUSTER」収録曲の発表はとても驚きだったのです。

……

「Win」と「Fascination」のことも明確に記述した文献はどこかにないのでしょうか?
ご存じの方はいませんか?

© bluelady.jp

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とりあえず輸入盤にリンクを貼っておきます。

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コメント

  1. aladdindogs より:

    「ガウスター」(以前は「グウスター」と呼ばれていた)は、一曲が長尺の全6曲のアルバムだった。
    このスタイルは、まんま次の「ステ・ステ」で使われたんですね。

    初めて「ステ・ステ」を聴いたとき、斬新なスタイルだと思った記憶があります。

    • Lin より:

      aladdindogsさん、ありがとうございます。
      私も「グウスター」だと思っていたのですが「ガウスター」と振られたサイトがあったので、踏襲しました。

      今回の発表で「John, I’m Only Dancing (Again)」が最初につくられたということをヴィスコンティが語っていました。
      私は「THE GOUSTER」の構成の方がやっぱりいいですね。

      以前、aladdindogsさんがおっしゃっていたように、「Fame」と「Across The Universe」はシングルで出した方がよかった感じですね

  2. aladdindogs より:

    Linさん、「WCBN」Amazonでポチりました。
    13,662円です。今回はUS盤でもいいです。
    HMVのUK盤、24,594円ですから。
    「REALITYTOUR」のブルーヴァイナルBOXのUK盤も出るんですけど、こちらはUS盤より安いので失敗しました。

    • Lin より:

      aladdindogsさん、早いですね。
      私は今回も日本盤にしようと思っています。
      実は「Five Years 1969 – 1973」のライナーを読み込んでから1ページ起こしたいと思っていたのですが、まだなんです。
      日々の忙しさに、追い立てられています。

  3. aladdindogs より:

    日本盤は、10月19日発売、23,760円ですね。
    今回も輸入盤国内仕様で、日本盤のみの解説書と封入特典付き。

    私の場合は、ハッキリ言って「ガウスター」と「リコール2」目的ですから、安い輸入盤を買います。

    オリジナル・アルバムは、リアルタイムで日本盤を買い、さらにライコ、EMIアニヴァーサリーまで買って来た世代ですから。
    解説書と特典だけで1万円近く高い物は選べません。

    • Lin より:

      aladdindogsさん、ありがとうございます。
      おっしゃることに説得力あります。
      私も普通でしたら輸入盤なんですけど、実はブログのネタ探しの一貫です。
      ボウイ記事を書くために、けっこう涙ぐましい努力(出費)してます。

      …といっても、前回の5yearsボックスのライナーをしっかり読み込んでないんですよね。
      斜め読みになってしまっています。
      ページ多すぎです。そのうち読みます。

    • Lin より:

      リコール2にステーション・トゥ・ステーションのデラックスエディションについていたシングルCDの曲が含まれていますよね。
      これで、ステステ・ボックスへの未練を断ち切ります。

  4. aladdindogs より:

    Linさん、そうですね。
    「ステ・ステ」5.1chマルチサラウンドDVDオーディオに興味がなければ、後はRCAオリジナルマスターしか残りません。
    リマスター盤と何度も聞き比べましたけど、違いはあまりピンときませんでした。

    聞き比べがたりないのかもですが。

  5. aladdindogs より:

    あと前回の「1969〜1973」もCDBOXとアナログBOXが出ています。
    日本では、前回も今回もCDだけの発売です。

    • Lin より:

      aladdindogsさん、ありがとうございます。
      そうだったんですね。
      気づきませんでした。

      今は「ガウスター」のプレイリストつくって聴いています。
      絶対これの方がいいです。
      お蔵入りになった2曲と「John, I’m Only Dancing (Again)」が最高です。

  6. Lin より:

    「Who Can I Be Now?(1974 – 1976)」の日本版特典が明らかになりました。

    http://ro69.jp/news/detail/148538?count=1&topic=2

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