友達の家で「きまぐれオレンジ・ロード」を見つけてしまったら…(ぼくは平井和正作品と出会った_②):オマージュ作品、ボヘミアンガラス・ストリート

春休み中なので、友達の家に遊びに行った。
そいつは無類のコミック好きで、かなり古い作品もコレクションしている。
机の上につんである10冊ほどの文庫本が目に付いた。

「これ。おもしろいのか?」
「ずいぶん前の作品だけど、けっこう絵もきれいだし、おもしろいよ。読んでみるか?」

ということで、全巻読んでしまった。
そいつの言うには、この作品をオマージュして小説書いた作家がいるとのこと。

家に帰ったぼくは「きまぐれオレンジロード オマージュ作品」でググってみた。そして…

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その作品名は「ボヘミアンガラス・ストリート」、作家は「平井和正」

なになに、主人公が神様? コミックは面白かったので、小説好きのぼくは読んでみることにした。
そのサイトからAmazonにリンクが張られていて、第1部 発熱少年 Kindle版を購入する。
それが、ぼくと平井和正との出会いだった。

ボヘミアンガラス・ストリート 第1部 発熱少年

かなり短絡な設定となってしまいましたが、コミック好きの友達の情報からHiraistが生まれるというインターネット的と言えなくもない展開です。
ここでキーワードとなったのは「きまぐれオレンジロード」「オマージュ作品」の2つです。
グーグルでサーチすると必ず「ボヘミアンガラス・ストリート」に到達します。
このことは私がこのブログを作った根幹にあたる部分なのですが、その話はおいておきます。

このページではコミック好きの人たちを平井作品に近づけるため、もう少しキーワードを広げておきたいと思います。

高橋留美子の「めぞん一刻」とまつもと泉の「きまぐれオレンジ☆ロード」との出会いが契機となっている

平井和正は第1部のあとがきで

この作品を、ふたつの夢を与えてくれたふたりの漫画家のかたがたに捧げる。

とはじめています。

一人は高橋留美子さん、作品は「めぞん一刻」。

最高のラブストーリーを書きたい、という願望をインスパイアしてくれる素晴らしい作品との、最高の遭遇だった

と語っています。

もう一人はまつもと泉さんで、その作品が「きまぐれオレンジ☆ロード」です。

平井和正は「きまぐれオレンジ☆ロード」の夢を見たことが、契機となって自分の作品として構想する。それが「ボヘミアンガラス・ストリート」執筆の発端となっています。

めぞん一刻のこと

高橋留美子さんとの出会いは「高橋留美子の優しい世界」や「語り尽くせ熱愛時代」という本に詳しい。平井和正は音無響子と五代裕作との一線を超えない関係性や先の見えないスリリングさに感銘をうけたようだ。私も全巻読んだが、一刻館の住人やその他のキャラクターの優しさ溢れる作品です。

きまぐれオレンジ☆ロードのこと

この作品も話題になる前からジャンプ紙上で読んでました。春日恭介・鮎川まどか・檜山ひかるの三角関係等、めぞん一刻との共通性を持ちながら、超能力一家という設定が平井作品に親和性を持っていたのだと思います。

三人目の美少女伊福部昭子のキャラクター設定は「県立地球防衛軍」から

平井和正は第7部のあとがきで伊福部昭子の出所について語っている。安永航一の漫画「県立地球防衛軍」に登場する美少女らしい。残念ながら私は読んだことがないので、分からなかった。私がこの名前から連想したのは江川達也さんの「BE FREE」の方でした。(こちらは読んだことがあった)
本当は、この名前は「ゴジラ」の作曲者「伊福部昭」から来ているとのことです。だいぶ前に皇太子様が所属するオーケストラで有名になりましたね。私もアルバム持ってます。

以上、この「ボヘミアンガラス・ストリート」は漫画家との関係がかなり深い作品でした。

平井和正のライフワーク「ルシフェル伝」は「最高のラブストーリー」として結実した。

もう一つ、この作品についていいたいのは、幻魔大戦のアナロジー的な作品だということです。
まず、平井和正は幻魔大戦執筆当初から「ルシフェル伝」に挑むことを公言していました。しかし、「ボヘミアンガラス・ストリート」執筆時点では幻魔世界は頓挫しており、広がった世界を収集することができないままでした。そのため、念願の「ルシフェル伝」は置き去りになっていたのです。

「ボヘミアンガラス・ストリート」の設定をシンプル化すると「最高のラブストーリー」なのかもしれません。しかし、「神様でありながら反逆者である」大上家族やホタルたちのストーリーは「愛らしいルシフェル伝」といえそうです。

舌足らずな説明になってしまいましたが、この作品に触れた読者が、その他の平井作品に興味を持っていただけることを願っています。

蛇足:ABDUCTION-拉致-

「ボヘミアンガラス・ストリート」を愛する方なら必ずABDUCTIONシリーズにも引き込まれると思います。
多元宇宙のあり方や世界の構築、何度も繰り返される恋人との出会い等、「ABDUCTION-拉致-」は「ボヘミアンガラス・ストリート」に勝るとも劣らない作品です。是非、読んでみて下さい。
CD版には以下の全20巻が収録されています。(その分ちょっと値が張りますが…)

  • WAYWARD BUS -気まぐれバス-(大改訂版)〈全2巻〉
  • STRAY SHEEP -迷い子-〈全4巻〉
  • ABDUCTION -拉致-〈全5巻〉
  • SILENCE -沈黙-〈全4巻〉
  • SHADE -翳-〈全3巻〉
  • CAPRICIOUS -移り気-〈全2巻〉

コメント

  1. jupiter より:

    平井作品の中でドーにもコーにも読めなかった作品が「ボヘミアン・ガラスストリート」、どうしても今も読めない。で、定年退職になったため足らなかった巻をネットで捜し出し全巻揃ったのでこれから読みます。(笑)
    平井氏が去ってから一年、オレは彼から見捨てられてしまった・・・みたいな思いが少しあります、勝手な思いだけど。

    • Lin より:

      jupiterさま
      平井和正の世界へようこそ。
      「ボヘミアン・ガラスストリート」を読むと若返ったような気持ちになります。
      私も大好きな作品です。

      「ボヘミアン・ガラスストリート」が私も大好きで、もう一回読みたいと思ってます。
      平井さんが他界されたことは本当に残念ですね。

      また、このブログへお立ち寄りくださったら、「ボヘミアン・ガラスストリート」のことを聞かせて下さい。
      よろしくお願いします。