書籍の電子化・自炊のはじめ方
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平井和正の幻魔大戦は続編が書かれることがなかったと思っている人。未完の作品だと思っている人。間違ってます。

平井和正のコアなファンにとってはあり得ないことなのですが、「幻魔大戦deep」や「幻魔大戦deepトルテック」を知らない方が、いまだに存在します。

「幻魔大戦」から「ハルマゲドン」まで読んで、それで終わってしまっているのです。

そのような方は「幻魔大戦」は未完の作品と思っているらしいのです。
ぜひ、「幻魔大戦deep」や「幻魔大戦deepトルテック」を読んでいただきたいと思います。

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幻魔大戦の系譜

このブログでは平井和正の幻魔大戦について何度も扱っているのですが、未読の方のためにざっとまとめておきます。

※書影はAmazonにリンクしています。

コミック版「幻魔大戦」

幻魔大戦 《オリジナル完全版》 1

平井和正と石ノ森章太郎の共著で、初めて「幻魔大戦」として世に出た作品。全2巻。


完全版も発売されました。

新幻魔大戦

新幻魔大戦

平井和正と石ノ森章太郎の共著で、ストーリー的には新幻魔大戦の世界が壮大な幻魔世界の出発点となっています。全1巻。


コミック版と小説版があります。

真幻魔大戦

真幻魔大戦1 超意識との邂逅

平井和正と石ノ森章太郎がそれぞれ独立して幻魔大戦を進行させることが決まって、発表された新しい幻魔大戦です。全15巻。


新幻魔大戦の世界を原点とし、コミック版、小説版「幻魔大戦」の多元宇宙を構成するストーリー。

現代編、上代編、異世界編と発展し、この作品だけでも多くの多元宇宙を物語っています。

小説版「幻魔大戦」「ハルマゲドン」

幻魔大戦 全20冊合本版 (角川文庫)
第二次幻魔大戦 ハルマゲドン

真幻魔大戦を補完するために、平井和正はコミック版「幻魔大戦」のリメイクに着手します。「幻魔大戦」全20巻。


開始された小説は東丈の組織する「GENKEN」のストーリーとして発展し、ハルマゲドン小説として昇華しました。「ハルマゲドン」電子版は全1巻。

ハルマゲドンの少女

ハルマゲドンの少女[ファイナル幻魔大戦]

並行世界となった幻魔大戦、真幻魔大戦を横軸にすると、2つの世界を結ぶ縦軸の作品。
大きくは東三千子のストーリーとなっています。

以上、ここまでは多くの方が認識されているはずです。
私も何の資料も見ることなくすらすらと書けました。

しかし、この続きをなす作品がまだ2作品もあるのです。
私も読んでからかなり時間を経過しましたので、細部が曖昧になっていますが…

あわせて以下の記事もお読みいただくと、分かりやすいかもしれません。

電子版は全1巻。書籍では3巻に分冊されたものもあります。

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幻魔大戦deep

幻魔大戦deep1

幻魔大戦とは別次元のストーリーが展開します。
この次元は幻魔の侵攻をを受けていません。

しかし、主要な登場人物、「東丈」「東三千子」らが登場します。
それ以外にも姪の「美叡」や「雛崎」親子ら新たに魅力的なキャラクターが登場します。

世界は収束にはほど遠く、徐々にトルテック(※次項参照)の要素をとりこんで…

全8巻作品です。

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幻魔大戦deepトルテック

幻魔大戦deep トルテック

幻魔大戦deepトルテックは平井和正が発表した最後の作品です。
そして、幻魔大戦の完結編でもあります。

この作品の発表の前に平井和正は「ABDUCTIONシリーズ」を発表しています。
「気まぐれバス」の「野々村直哉」を主人公にした多元世界テーマの作品で、全20巻もの大作です。

その「ABDUCTIONシリーズ」の世界と「幻魔大戦deep」の世界は融合をとげ、「雛崎みちる」を主人公にした幻魔世界へ発展します。
それが「幻魔大戦deepトルテック」です。

「ABDUCTIONシリーズ」もあわせてお読み下さい。
「ボヘミアンガラス・ストリート」が好きな方なら、絶対楽しめると思います。

※トルテックとABDUCTIONシリーズ

「トルテック」が平井和正の小説に登場したのは「ABDUCTION」シリーズにおいてです。

「SILENCE 1(ABDUCTIONシリーズ12巻)」の導入部で、映画「パワー・オブ・サイレンス」のオープニングの語りに「トルテックの呪術師」という言葉がはじめて使われたのではないかと思います。

もともと「ABDUCTION」シリーズはカルロス・カスタネダの世界に影響を受けています。これは公式に認められています。
カルロス・カスタネダは平井和正の愛読書だったそうで、私も1冊購入しました。
お恥ずかしいことに、あまり記憶に残っておりませんが…

カルロス・カスタネダはインディアンの呪術師ドン・ファン・マトゥスを創造しました。

平井和正の晩年の作品はカルロス・カスタネダの世界と呪術師ドン・ファン・マトゥスの影響がだんだん大きくなっていきます。

「犬神明」にもカルロス・カスタネダの創造した呪術師ドン・ファン・マトゥスの影響が見うけられます。

第1巻のインディアンとパーミターの哲学的な会話などはドン・ファン・マトゥスの影響がそのまま出ています。

「犬神明」ではトルテックの影響は哲学的です。
しかし、平井和正は「ABDUCTION」シリーズにおいて、見事にエンターテイメント性を持たせた平井和正独自の作品世界として昇華させています。

「ABDUCTION」シリーズ、おすすめです。

幻魔大戦deepと幻魔大戦deepトルテック

これらの作品は、もともとコミック版・小説版「幻魔大戦」のトーンで語られた作品ではありません。
どちらかというと「地球樹の女神」に近い作品です。

しかし、これらの読了後、幻魔世界は拡がり続けると共に収束感をもたらします。

この作品で完結とは思えないという感想をお持ちの方もいらっしゃるようですが、私は完結していると思っています。
※ウルフガイ・ドットコムのTwitterでも完結作品と発表されています。

「幻魔大戦の続きが読みたい」と思っておられる方には、「とにかく続きはこの2つの作品で間違いありません」と申し上げておきます。

コミック版と小説版の「幻魔大戦」が生み出した世界がどうなるのか?
是非、確かめてみて下さい。

© bluelady.jp


オススメ

著:平井和正, イラスト:泉谷あゆみ
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幻魔大戦doopは全8巻


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e文庫 『ABDUCTION-拉致-』 平井和正
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現在、在庫切れみたいですが、必読です。
平井和正の傑作! 面白いです。

在庫が出てきたら即購入しましょう。

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コメント

  1. 浮田茂 より:

    1980年よりのコアな平井和正ファンです。
    ですが、最後の作品は、まだ読んでおりません。緊張します。
    平井和正は永遠です!

    • Lin より:

      浮田茂さん、書き込みありがとうございます。
      このブログになって、平井ファンでは初めての書き込みで感激です。

      このブログは平井和正の記事でスタートしましたが、最近ではニュースがなく、寂しい思いをしています。

      そういえば、松田優作DVDマガジンで「狼の紋章」がピックアップされたようです。
      「狼の紋章」は松田優作さんのスクリーンデビュー作のはずで、私もDVDを持っています。
      少しエロチックですが、純愛も感じられる、平井ファンなら必携の作品です。

      ……

      「幻魔大戦deepトルテック」は「ABDUCTIONシリーズ」と「幻魔大戦deep」を接合したような作品で、パワーアップしています。

      もう、平井作品の新作が読めないことが寂しいです。
      発掘作品などはないのでしょうか?

  2. 流浪牙-NAGARE@KIBA- より:

    そのへんにつきましてはまぁ、幻魔大戦という作品が
    余りにもケリの付かないままに長期拡散化し過ぎたせい
    (しかも多元宇宙で並行世界という、賛否両論の分かれる何かでは……)で、
    ファンですらついてゆきづらくなってしまったのが宜しからぬのではないでしょうか――
    と、失礼ながら。幻魔からは逃げられない

    • Lin より:

      私は真幻魔大戦と幻魔大戦が同時進行していた頃が最も好きです。
      ものすごいスリルと興奮を味わいました。
      これ以上の読書体験はもうないだろうと思っていたら「ABDUCTION」シリーズが予想を覆してくれました。

  3. Kurapika より:

    「死霊狩り」で平井和正氏の小説に出会い、続いて読み始めたのが「幻魔大戦」シリーズ、「ウルフガイ」シリーズでした。
    夢中になって追いかけ続けたのですが、何度も別の作品が出てくるので、(本当に書くつもりあるのかな?)と思う様になり、「地球樹の女神」辺りを読んだ頃を境に、ぱったりやめてしまってました。
    記憶の中では怖い人が残酷な性癖を出しているとことかあるのですが、高鳥の事や円の小角が神通力で山を動かすシーンが被っているので、もう無茶苦茶です。
    最初から読み直さなければ…
    時系列で説明されていて、とても参考になりました。

    ありがとうございます。

    • Lin より:

      Kurapikaさん、書き込みありがとうございます。
      私も平井和正を再読しなければという思いばかり強くなりますが、なかなか果たせません。
      役小角のシーンは衝撃的でした。
      それ以来、役小角を主人公にした面白い小説はないものかと探し続けています。

      山本兼一の「神変」なども読みましたが、真幻魔大戦を越える作品とは思えませんでした。

      夢枕獏あたりが「大帝の剣」のノリで役小角を描いてくれたらいいのにと、いつも思っています。

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