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1985年、アイルトン・セナはトールマンからロータスに移籍します。
非力なトールマンのマシンから勝てるマシンへのスイッチでした。
しかし、ロータスは1982年、第13戦オーストリアGPで勝利して以来、優勝から遠ざかっていました。
1985年のマシン97Tはルノー・ターボエンジンを搭載していましたが、ロータスのマシンはシャシーは優れているがエンジンが非力といわれたシーズンです。トップマシンに比べて50馬力は劣っているといわれていました。
この差は、まともな天候のレースでは埋めきれないギャップとなっていたのでした。
1/65のポールを獲得
1985年F1第2戦ポルトガルGP(エストリル・サーキット)
セナはF1生涯で65回のポール・ポジションを獲得しています。
記録ではミハエル・シューマッハの68回に抜かれてしまいましたが、ポールポジションの率としてはダントツでした。
その65回を数えるポール・ポジションの第1回目が、1985年ロータスで迎えるF1第2戦ポルトガルGPのことでした。
1985年〜1987年の3年間、ロータスに在籍した間に、セナは15回ものポールポジションを獲得しています。
ひどい土砂降りの決勝で、セナ神話が生まれる
予選のオーダーは以下
1位:セナ、2位:プロスト(マクラーレン)、3位:ロズベルグ(ウイリアムズ)、4位:デ・アンジェリス(ロータス)、5位:アルボレート(フェラーリ)
スタートでジャンプアップを決めたのはセナのチームメイト:デ・アンジェリス。第1コーナーを2位で抜けます。
プロストは3位に後退、4位にアルボレートが上がります。
雨が激しくなる中、セナは快走を続け、デ・アンジェリスを引き離します。後方ではデ・アンジェリスとプロストがバトルを繰り広げていました。
20周目、ロズベルグが故障でリタイア、その他のマシンも激しい雨でスピンやコースアウトで脱落していきます。
30周目、ピケがリタイヤ、同じ周回でプロストもスピンしリタイヤしてしまいます。
結局、26台中10台しか生き残れないサバイバル・レースとなっていきます。
セナのみが快走を続ける様は、まさに異次元の走りのようでした。
43周目、アルボレートがデ・アンジェリスを捕らえ2位に浮上。その時にはセナは2位に58秒以上の大差をつけていました。
そのまま、セナはトップでゴールし、ロータスに1982年以来の勝利をもたらしたのでした。
僚友のデ・アンジェリスはさらにルノーのタンベイに抜かれ4位となっています。
結果、表彰台は
1位:セナ、2位:アルボレート、3位:タンベイ
となりました。
セナとアルボレートとの差は1分2秒978
ファステストラップ:アイルトン・セナ 1分44秒121
2時間レースで最終周回数は67周(予定周回数は69周)
雨の魔術師:アイルトン・セナ
トールマンでのモナコGPで雨の実力を示したセナは、ここポルトガルGPではっきりと強さを証明して見せます。
この後も雨のレースでは常に強さを見せつけ、アイルトン・セナを「雨の魔術師」と誰もが呼ぶようになるのでした。
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